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2012-11-10

「問題なしです」

個別相談では、こどもの療育課題や方法だけでなく、学校や幼稚園・保育園での様子についても相談があります。
私は、療育の目的は、特殊な環境の療育場面で上手く過ごせるためでなく、
家庭や学校・幼稚園・保育園等の日常生活を行う場面で上手く過ごせるために、
学びやすい特殊な環境や課題設定をするものだと思っています。
日常生活場面で上手く過ごせるための課題を考えるわけですから、当然、日常の様子に関する情報は重要です。
さて、ここで問題となるのが、どんな情報が得られるかです。
私たちが欲しい情報とは、大問題になっている情報でなく(これも、あれば対処するのですが)、
むしろ、大問題になるかもしれないことの情報です。
それを知ることによって、そうならないように課題を組み、発達を促していく予防的な療育が大事なのです。
大問題になってしまった時には既に遅く、本人はもちろん傷つきますし、周りのこども達も傷つきます。
また、一度ついてしまったイメージは、なかなか拭うのが難しいのです。
失敗して学んでいくと言われる方もいらっしゃいますが、学んでいける失敗とは、その先に成功がある場合、
または、努力して失敗を重ねながらも成功した経験が土台にある場合です。
いいかえれば、成功するまで努力し続けられるから、最終的には失敗はないのです。
ところが発達障害があるこども達は、もともと失敗する量が多い上に、
人間関係に関する課題においては、社会性の幼さから、成功するまで努力し続けることが難しいのです。
だから、小さな成功体験をちょくちょく入れて、負荷をコントロールされた失敗を意図的に入れていき、
成功と失敗のバランスを調整してあげる時期が必要なのです。
話しは長くなりましたが、これを成功させるために必須なのが、日常生活での情報なのです。
どうやって情報をとるのか、一番いいのは、療育をする人間が観察することです。
どの情報が大事なのか区別がつき、課題の予測ができている人が見れば情報の見落としは少ないです。
ただ、これは物理的な問題も多いので、次の策としては、周りのこども達からの情報です。
こども達の情報は、当たり前のことですがこどもの話として聞くという前提で、
(幼児や低学年のこども達は、まだまだ、一側面からの見方しかできない発達です)、
オブラートに包むことなくストレートに言ってくれますので、わりと正確です。
ただ、これも小学校に入ると難しくなります。
送り迎えがなくなるので、こどもに接する機会が減るからです。
そして、最後に残るは、学校や幼稚園・保育園の先生に聞くことです。
ここまできてやっと本題ですが、
先生の「問題なしです」は、大問題が起きていないという意味だということを知っておいてほしいのです。
何も連絡がないのも同じです。
このズレは、何を目的にしているかの違いと、発達の見方の違いから起こります。
私たちの目的は、予防的に療育をすることですから、大問題になるかもしれない兆しや、
次の発達課題の取り組める兆し、そういった問題に関する情報がほしいのです。
でも、学校や幼稚園・保育園で、先生は集団として多くの人数をみているわけですから、
集団としての動きに支障がないかが最も気にかけられている場合が多く、
そうすると、例えば、授業中にボーッとしていても、静かに座っていれば問題なしになるのです。
支援学級の場合だと、手を加える必要がない個性として受け入れられる場合が多く、ここでも問題にはなりません。
私からすれば、それらは個性と言えば個性ですが、そのままでいいという意味ではなく、
個性的な教え方が必要な発達課題なんだと思います。

このような事情から、学校や幼稚園・保育園の先生とお話される時には、
「何か問題ありませんか?」と、抽象的な質問のされ方をするのではなく、
「1時間の授業で、手遊びしていることが何回ぐらいありますか?」と、具体的な質問をしていただければと思います。
それから大事なことですが、先生達とお話する時には(先生に限らずですが)、
社会人としてソーシャルな振舞いをしましょうね。
前もって約束するとか、頻度とか、言い過ぎないとか、そういった一般的なマナーです。
お互いに気持ちいい関係をつくれないと、なかなか支援はうまくいきませんからね。

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