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2012-02-06

席替え

先日、スクールトライアル(小学校の教室仕立ての部屋で行う小集団療育)を見学していた時のこと。
1人の男の子の席が、前列から後列に変わっていました。
元々は、正解通りにきちんとやらなければと思うタイプのお子様で、
先生が前に立って話始めれば、先生の方を見て指示を逃さずに聴いていました。
ところが、この席替えを機に全くと言っていいほど、先生の方へ注意を向けられません。
いつも視線がフワフワしており、何かに気がとられているというより、
先生に注意を向けることを持続できないという感じでしょうか。

発達障害があるこども達は、注意の持続(視線の使い方)が下手な場合が多いですよね。
特に集団場面で、相手(学校だと先生)の注意が自分だけに向けられない時、
あるいは、相手との距離がある時、こういった場合は難しくなります。
その理由はさておき(長くなるので…)、ここで、どういう対処を考えていくかですよね。
1つは、こどもに合わせて環境整備をすることですね。
学校では、よく、席を前の方にされると思いますが、ここで1つ気をつけて下さい。
最前列は、あまり良くないです。
なぜなら、先生が教卓、あるいは、その付近に立った時に一番視界に入る(目が合いやすい)のは、
最前列より2列目であることと(最前列は先生の足元になり、かえって、視界に入りにくい)、
最前列だと前にモデルがいないので、真似して動くことができないからです。
あと、両端の列は廊下や運動場の動き、まぶしさ、風の動きが気になったり、
位置だけでなく、両隣や前後の同級生によっては、その言動にのせられたり、
席を考えるだけでも、いろいろなことを気にしなければなりません。
ところが通常学級は、低学年でも多ければ35人のこどもがいます。
これだけの条件をそろえた席を用意することは、至難の業です。
発達障害があるこども達1人でないことも少なくないですし、
また、それ以外にも配慮が必要なこどもはいます。

そこでもう1つの提案。こども自身に力を付けることですよね。
ちょっとお家で練習してみましょう。
ご家庭で、市販のワークブックや宿題をみている保護者の方は結構いらっしゃると思いますが、
それをする時に、学校の教室のような環境でやってみます。
指示を出す保護者は、学校の先生のように、こどもが座っている机から距離をとります。
最初は1mぐらい、だんだん、2メートルと距離をとっていきます。
また、隣で話声や外で車の音がしているからって、それを遮断してしまわずに、
その音が多少聞こえる程度の環境で行います。
それから指示をする時に、こどもの名前を呼ばずに、「今から~の説明をするから…」のように、
大勢のこどもに向かって発する言葉を使うようにしてみます。
そういう指示のされ方でも、自分が聴くべき指示と捉えられるように練習するってことですね。
あと、ワークブック1枚するぐらいは、目の前で大人が見張ってなくてもやり続けられる練習もいいですね。
そうそう、こういう練習をする時には、ワークブックや作業は簡単なものにします。
それらの知識やスキルを練習するための時間ではなく、それらを集団の中でこなしていく練習ですからね。
ついでにって思われるかもしれませんが、二兎追うものは一兎をも得ず、ですよ。

いろいろな知識やスキルは、普段の環境の中で使えてなんぼです。
静まり返った何もない殺風景部屋の中でしか使えないものは、日常では使えないってことです。
もちろん、練習の段階では、そういう環境ですることもあると思いますが、
最終的には、日常的な環境の中で使えてはじめて、できるってことだと思います。
少し前にありましたセンター試験の報道を見てても思いましたが、
周囲の環境の音ぐらいでわからなくなる程度の知識やスキルであれば、大学や会社では使えないもので、
そんな能力を育てて何になるのかってことです。

スクールトライアルに来ているこども達は、個々の知識やスキルを伸ばすだけでなく、
そのスキルや知識をいかにタフなものにしていくかが問われます。
いかに、タフなこども達に育てていくかですね。

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