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2011-12-06

目を離さない

私は、いい療育をするためには、何よりも綿密な準備が大事だと思っています。
そして、この準備をする中で最も重要なポイントは、子どもたちの情報を正確に、具体的にもつことです。
そのためには、例え、ベテランのセラピストであったとしても、手間暇かけて観察することが求められます。
この観察、簡単なように思えて、実は、とてもスキルがいることです。

先日の福岡県での研修会では、学校の先生や療育をされている方にご参加いただきました。
その中で、簡単な実技をいました。
1つは、私が療育をうける子供役で、その子供に療育をする人を参加者に行っていただき簡単な課題をする、
もう1つは、私が、支援が必要な小学生役で、その子供のクラス担任と補助を参加者に行っていただき、
簡単な授業をする、そのような設定で実技をしました。
私が求めることは1つ、「こどもから目を離さない」で行うことでした。
また、その実技を見ている周りの人たちには、療育をする人や補助の先生役をする人が、
こどもから目を離さずにできているかを観察しておくことを言いました。
そして実技を行った後、療育者や補助の先生自身、会場で実技を見ていた人に結果を確認して、
実技を撮影した映像を会場の皆さんと確認しました。
結果は、どちらも、たった1つのオーダー「目を離さない」が、見事にできていないのです。
実技をしていただいた方は、偶然にも、療育をする人には、普段から個別療育をされている人、
また、小学生の補助の役をする人には、普段から学校で補助の仕事をされている人が当たったのですが、
それでも、しっかり目を離してしまうのです。
個別の療育をする場面では、教材を入れ替える時や別の課題に移る時に教材や手元を見てしまい、
また、補助の先生の場合は、担任の先生が前で説明し始めるとその先生を見て、
活動の介助をするために見本を見せようとした時に自分の手元を見てしまう。
ご協力いただいた方の名誉のために言いますが、この現象は、ほぼ全ての人で見られます。
私がこれまで指導等に行かせていただいた学校や療育現場の方、うちのスタッフが就職したての頃、
「目を離さない」というたった1つの課題が、ほぼ100%できません。
そうそう面白いことに、この実技を見ていた周りの方々、
療育者や補助の先生を見ておくように言っていたにも関わらず、
教材が動けば教材、担任の説明が始まれば担任の先生を見ている姿が映像にありました。

私たちは、とてもソーシャルにできています。
だから、人の声がすれば、人が話し始めれば、思わずその人の方を見てしまいます。
また、私たちの体は連動しますので、手が目的の物に向かえば、意識(視線)は、
その方向に向くようになっています。
子どもたちを観察する時には、その生理的な動きとは異なる動きが求められます。
だから、相当意識していないと上手くいかないのです。

子どもたちへの療育や教育がうまくいってないと感じた時、何か難しいことができていないからではなく、
実は、とても基本的なことができていないことが多いです。
基本を忠実にすることは、結構、難しい。でも、それができれば結構、うまくいきます。


コメント ( 2 )件 | この記事のリンク

  • 名前:愛しい   投稿日時 : 2011.12.06 【URL】
  • 『目を離さない』というスキルは、指導される立場の方に限らず親子療育(宿題)をしている親も、もちろん同じですよ…ね…。
    最近宿題中のかんしゃく場面が多く、振り回されっぱなしです。初心に帰ろう…と準備もバッチリ頑張ったのに、次の課題に移るときにガタガタと崩れていきました。教材のほうに目が向いていました、私…。
    はぁ~。『生理的な動きとは異なる動き』ですか…。これは訓練が必要ですね。
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2011.12.07 【URL】
  • コメントありがとうございます。

    そうですね、保護者の方にも同じように大事なことと思います。
    これを何時も完璧に行うことは、私にも、なかなか難しいことですが、
    こういうことがあると知っていると、それに気をつけ、大事には至らないで済みますし、
    また、うまくいかなかった時に原因を見誤らすに、適当な対策を考えられます。

    しっかり準備をして臨んだ時ほど、うまくいかないと悔しいですが、
    でも、準備をした過程があったからこそ、リカバリーも早いはずです。
    完璧にできなかったとしても、そのために努力をしたことが、
    こども達にとっては、価値があることと思います。

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