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2011-11-14

人を思いやる

先週末は、福岡に出張をしておりました。
毎月、個別相談と集団療育を行っています。
個別相談のほとんどは、お母さんに家庭での療育指導を行いますが、
何人かの小学生高学年のこども達には、私が直接、療育を行っています。
その中の1人の女の子、急遽お休みすることになりました。
当日の朝、電話があり、お母さんの体調不良のため、お休みさせてくださいとのことでした。
ご自宅から、1時間半ほどかけて、車でお越しいただいておりますので、無理はできません。
お母さんと電話で話している最中、電話口の向こうから泣き声が聞こえます。

お母さん「実は、朝、○○(女の子)に説明したのですが、とても楽しみにしていたようで、行きたいって泣いているんです・・・先生、すいませんが、電話かわってもいいですか?」
私「もしもし」
女の子「も・・・し・・・もし・・・(泣きじゃくっていて、言葉にならず・・・)」
私「今日は、お母さんがしんどいから休みね。次は、12月11日に来るから、その時に遊ぼう。」
女の子「・・・うん・・・11日にくると?」
私「うん、一緒に遊ぶの持ってきてね。」
女の子「うん。」
月に1回の療育をはじめて1年近くになりますが、毎回、楽しみにしてくれているようで、
一緒に遊ぼうと思った本やおもちゃと、自分で考えた折り紙や手紙のプレゼントを持ってきてくれます。
私がする療育ですから、楽しいことばかりではなく、結構、イジワルもされているのですが、
それでも楽しみにしてくれているとは、療育者冥利に尽きるというものです。

さて、今回の出来事、お互い楽しみにしていた療育がキャンセルになることは残念なことなのですが、
女の子にとっては、とてもいい療育になったはずです。
もしかしたら、私の療育1回分以上の価値があったかもしれません。
自分が楽しみにしていたことが、自分以外の理由でダメになる。
お母さんの体調不良、車の故障、高速道路の閉鎖、天気、私の体調不良・・・
自分だけで生きているわけではありませんので、故意ではないにせよ、
いろいろな理由で自分の楽しみを奪われることもあります。
そんな時、理由が理解できなくても、相手をいたわることができなくてもいいので、
自分の楽しみがなくなるということを受け入れられるようになっていてほしいと思います。
多少、泣いたり文句を言ったりしてもいいので、その程度でおさめられればいいです。
暴れたり、物を壊したり、逃走したり、極端な言動にならずに、おさめられることです。
こういうスキルは、認知があがれば、知的な力があがれば、どうにかなることではありません。
頭で理解してできるようになるのではなく、
そういう出来事の中で、実際に我慢した(多少泣きながら我慢させられたでもいいので、
最終的に楽しみなことができなかった)経験の積み重ねです。
親御さんにとって、こどもが楽しみにしていることは、何でも叶えてあげたいでしょうし、
まして発達障害があるこどもたちは特に、そういう不測の出来事が苦手とされていますから、
極力、叶えてあげようと努力をされると思います。
ですが、その手厚さは時として、こども達の発達を妨げます。
ご両親をはじめ、先生や療育者が、こども達のそういう大事なことを学ぶ場を奪わないように、
気をつけなければなりません。
発達障害があるこども達は、それらができないわけではなくて、苦手だから人より時間がかかる、
ただ、それだけです。
時間がかかる分、こども達もご両親も大変だとは思いますが、その力をつけることが、
将来、人との中で生活できるか否かの境目にもなりかねません。
何よりも、そうやって人に協力できることは、こども達にとって、とても誇らしいことではないでしょうか。
お母さんがしんどいときに、泣きながらでも、お家にいることができた女の子の行動こそが、
この年齢のこども達の、人を思いやるということの1つの形だと思います。
私は、こども達に、そういう力をつけてほしいと思っています。

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  • 名前:   投稿日時 : 2011.11.15 【】
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