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2011-03-07

一緒に見よう!

中学生の男の子との外来相談でのできごと。
初めての面談だったので、好きな物をもってきてもらいました。
持参されたのは、外車がたくさんの載っている本。
その本で遊ぼうってことになったとき、皆さんは、どんなふうに行動するでしょうか。

彼は、私という存在は全くなかったかのように、ひとりでページをめくり始めました。
そりゃそうだ。私は、まだ、『一緒に見る』ってことを教えてないしな。
さて、一緒に見るってどんな状況になればいいのでしょう。

私 「ねえねえ、一緒にみようよ。」
彼 「うん。」(でも、ひとりで黙々とみている)
私 「…見えない!」
彼 はっとした顔で慌てて本の向きを変えるが、本がさかさまになっただけで、向かいに座って  
  いる私には見えない。
私 「こっちにおいで」と、私の隣に座ってもらう。
彼 50㎝ぐらいか、少し遠いかなと思う距離に座り、自分の目の前に本を置いて見る。
私 ちょっと遠くて再び見えない…「見えない!」
彼 またまた、はっとしたように、私の方へ本を少し差し出すように置く。
私 ちょっと見にくい向きだけど、まあ、いいか。黙って一緒に見る。
彼 1つのページに2台ずつ、紹介文とともに載っている車の写真を眺めてめくっていく。
私 2~3ページ進んだところで、「BMW…、プジョー…」と、そのページの車の名前を言う。
私が数台分の名前を言ったところで言うのを止めると…
彼 次の車を無言で指差す。本を見つめながら…
私 私の顔を見る(アイコンタクト)まで無言。無言の時間が続き…
彼 私の顔を見る。
私 「チェロキー」

と、繰り返していくうちに、私が車の名前を言えば次の車に目をやり、
言わなければ黙って次の車を指差し、私が黙って待っているとアイコンタクトをとり、
私が車の名前を言う。
時々、アイコンタクトがなかなかできず、だから、私もその名前を言わないでいると、
諦めて(まだ、アイコンタクトを待たれていると完全に気付いていないようで)、
彼は、次の車へと指差しをすすめます(言いたくない車があるわけではないんだよ~)。
そこで、私が車の名前を言うと、律儀にさっきとばした車に戻って指差しします。さすが!
最後まで見終わると、彼は、再び本の最初に戻り、今度は「○○を読む。」と、
彼は車の写真の下にある説明文を読み始めました。
今度は、そういう会話かと、私も参加することにしました。
彼が、2つ目の車の説明文を読み終わったところですかさず、私が3つ目の車の説明文を読みます。
すると、その間、彼は黙っていたので、なかなかやるや~んと思っていたら、
私が読み終わった途端、同じ3つ目を読み始めるのではありませんか。
おいおい、交代で読むところだから、そこは4つ目を読むんや~と思い、
「ええ!!!」と、私が思わず声を出すと、彼は、はっとした顔で慌てて4つ目を読み始めました。
エライエライ。

さて、一緒に本を見るの正解図は、いかがでしょうか。
一緒に本を見ながらコミュニケーション、つまり、一緒に遊ぶっていうのは、
本のページごとに質問しまくって、こどもが応えることではありません。
本の車の写真を見る、車の車種や説明文を読むなど、楽しそうなことで本を共有することです。
共有するというのは、一緒に同じことをしたり、タイミングのいいコミュニケーションがすることです。
黙って本の写真を眺めことが一緒に同じことをするで、
彼が指差しして私がその車種を言う(アイコンタクト付きで)ことや、
交互に説明文を読むことが、タイミングのいいコミュニケーションにあたります。
今回は、私が全面的に彼の趣味に合わせて一緒に本を見ていますが、
もちろん、この全面的に合わせることを、だんだん、私に合わさせる場面もつくっていきます。
私に合わせてもらうためには、まずは、いい人のフリをして(笑)、
彼が、私との距離を少し縮めてくることを待ちます。

彼のいいところは、最初から近づきすぎず、でも、拒否せずに私のそばにきたこと、
私が「見えない!」等の不愉快そうなコメントをすれば、何とかしなきゃと動くこと、
そして、彼の趣味を共有すれば、距離を縮めたり、自分からコミュニケーションをとってきたこと。

こういういい反応を潰さないように、かつ、より人と共有できるコミュニケーションを育てていきます。

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