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2010-11-08

小学校の職員室

先日、来年小学校就学するお子様がいらっしゃる保護者の方からの依頼で、
お子様の就学先を考えるために、就学予定の3校を見学してきました。
その中に、今まで見たことがないぐらいステキな特別支援教室がありました。
その小学校には、1~2年生が6名のクラスと3~6年生が6名のクラスがあります。
どちらも知的か情緒だと思いますが、それぞれ1人の担任で学級経営をされています。
朝の時間には、その2クラスが合同で活動をされていました
(終わりかけに入ったので活動内容はわかりませんでしたが)。
私たち(3名)が顔をのぞかせると、担任の先生が気付かれ声をかけていらっしゃったので、
「今日、見学をお願いしていました○○です。中に入ってよろしいでしょうか?」と、たずねると、
先生だけでなく、子どもたちが、「どうぞ、どうぞ。」と、ニコニコしながら返事をします。
私たちが入ってきた瞬間はざわつき、こちらをチラチラ見ていますが、数分すれば前を向いています。
きちんと教えられているこども達は、少々の変化では崩れません。
実は、この日、いつもの低学年クラスの担任の先生は出張で、校外からの代理の先生がいらしてました。
それでも、崩れないのです。
よく、こども達への影響を理由に見学を断られる先生や療育者がいますが、
そうでないことが実証されましたね。

そして、休み時間になると、数名の子供たちが、「誰?」とか、「~知ってる?」とか、話しかけてきます。
私たちという見慣れないお客さんに関心があったんですよね。
決して、他者に無関心だから、私たちが見学に来ても崩れなかったわけではありません。
また、数名のこどもた達が教室の後ろのほうでじゃれ合っています。
1人のこどもが滑り込みの真似をすると、他の数名のこども達が同じように滑り込みの真似をします
(この日は、プロ野球選手が講演に来る日だったようです)。
お互いの言動に注目し、こども同士の関わりを持てているんですよね。
そして1時間目の授業時間。低学年と高学年とで教室が分かれて、それぞれ算数の授業が始まります。
低学年のクラスは自分の席に座って、出張中の先生が用意されている算数プリントをします
(こどもによって内容が異なるプリントが2枚ずつ閉じられている)。
校外の顔も知らない先生の仕切りでも、静かに自分の活動に集中しています。
ちなみに机は、前を空洞に「コ」の字に並べられていますが、ちゃんと集中できています。
それから高学年のクラス。
こちらは、先生1人で3名のこどもの授業が始まります(残りは、欠席と交流クラスです)。
面積を求める時間でしたが、最初は全員でめあて(とても具体的な)を読み、いくつかの質問がされます。
見学している私たちをチラチラ見ているこどもを当て、質問をすることで、上手く注意を黒板に戻されます。
いちいち怒鳴らなくてもいいわけです。
次に、黒板には、それぞれのこどもによって異なる方法のお手製チャートがでてきて
(同じように面積を求めるのですが、こどもの発達によって方法が変えられています)、
それを1つずつ読んで確認してから、こどもが、それぞれの作業に入ります。
通常学級と同じように集団→個別の作業が取り入れてられています。
みんな着席して、静かに授業を受けています。
もちろん、こども達には、いろんなタイプの子が混じっています。
繰り返し同じことを言っている子、じゃれていたと思ったら怒り出す子、全く人に関心を向けない子、
学力も様々です。
それても、集団として成立していて、多少の変化にも動じない、いつもの作業ができています。

そして、私がいつも感じていたこと、やっぱりな~と思うことが明らかになりました。
とても整頓されているのです。特別支援学級の教室も、職員室も。
まず教室。
いつも見る、所狭しと無造作に貼られている掲示物、全て同じ形式で機能的に掲示されています。
前の黒板の上には、時計と読み書きする時の姿勢、声の大きさに関するポスター。
黒板の右端には、日付とお当番。
右側の壁には、学校内のお便り一式。
後ろの壁には、中央に1月~12月のカレンダーが順番に貼られ、その下に、その月の行事写真、
その下に、毎月に作品。
また、後部の右端の方に掃除当番表、掃除道具、はみがき、水筒、給食袋等がかけられています。
そして、全ての掲示物には、同じ形式、同じ方向に書かれたタイトルが貼られています。
また、左側の壁には、ラベリングされた引き出しがあり、共有の道具が置かれています。
トランポリンやボールプール、大量の知育玩具等、全く見当たりません。
多少は使われるのかもしれませんが、教室の目のつくところにはないのです。
必要な時だけ出されるのだろうし、そもそも、そんな物はなくても授業はできるし
(教えるスキルがある先生は、やたらと道具に頼りません。腕が悪い職人ほど道具に頼ります。)、
必要以上に玩具がないからこそ、こども達同士で絡む機会が増えるのです。
そして職員室。とても美しい。
大抵は、いたるところの棚にも物が山積みですが、ここの職員室は、机の上にも、棚の上にも物が置かれていません。
きちんと整理整頓されているわけです。

学校の職員室は、なんで、あんなにぐちゃぐちゃなんだろうと、いつも思っていました。
あの感性の中で過ごすと、それが普通になりますから、当然、教室の中も無造作に、無機能に物が置かれて貼られていき、
そして、授業の内容も同じように無造作に、無機能になっていきます。
物の整頓はできないけど、スケジュールの整頓や授業の整頓はできるなんて、有り得ない。
きっと、行き当たりばったり。
その中で育ったこども達は、機能的に考える感覚は育ちません。
なのに、就職する頃になって突然、整理整頓とか、スケジュールを組んでとか、仕事の段取りとか、
そんなことを言われてもできるわけがない。

素晴らしい授業が行われている学校は、教室も職員室も美しい…この関係性は、きっと真実だと思う。
目に見えない心の感性を磨けと言う前に、まずは、目に見える、職員室の机を磨いてはどうでしょうか。

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