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2010-06-05

ユニバーサルデザイン

先日、仕事仲間の道城さん(小中学校で発達障害があるこども達の支援をしている専門家)とお話していたときのこと。
「最近学校では、ユニバーサルデザインなんですよね~」
時を短くして、徳島県の訪問先で相談を受けていたときのこと。
お子様が通っている保育園の先生から質問がありました。
「してはいけないことを紙に書いてはるときのユニバーサルな表現とは?」

さて、『ユニバーサルデザイン』とは、何のことでしょうか。
ノースカロライナ州にあるユニバーサルデザインセンターの創設者で、設計者でもあり教育者でもあった故ロン・メイス氏が提唱されていた概念です。以下の7つの原則から成り立ち、年齢・能力・性別・国籍などに関わりなく、あらゆる人にとって使いやすいものであることを求めるもので、この概念は、物作り、生活環境設計、コミュニケーション、教育など、あらゆる分野に取り入れられるものとして訴えられていたそうです。
①全ての人がいつでもどこでも、同じように使いこなせる公平性
②右利きでも左利きでも使えるような、使用する時の自由度
③ひと目みただけで使い方が理解できるほどわかりやすく簡単
④使う人が知りたいことが分かりやすく丁寧に説明されていて明確
⑤うっかりミスで使い方を間違えても 危険が少ない安全性
⑥長時間使っても、少ない力で使っても疲れない持続性
⑦使う人の大きさ・姿勢・動きに関係なく使える空間性
バリアフリーと似ているのですが、障害の部位や程度によりもたらされるバリア(障壁)に対処するのがバリアフリーデザインであるのに対し、ユニバーサルデザインは、障害の有無だけでなく、年齢・性別・国籍等、多様な人にとって使いやすいことを表しています。

さて、これらを発達障害がある子ども達の環境に置き換えて考えてみるとどうでしょうか。
発達障害があるこども達の療育・教育・保育の現場において、彼らにとって分かりやすい教え方や学びやすい環境を考えていくだけでなく、全てのこども達にとって分かりやすいそれを考えていくということですね。そして、それは、発達障害があるこども達とないこども達に共通したものが考えられるということです。
先に書きました徳島の保育園の先生は、他の園児達にとって分かりやすいようにと考えた教材の延長で、発達障害がある園児にも分かりやすいものを考えていらっしゃいました。
園児達にとって、言葉だけで説明されるより視覚で確認できる見本や指示書のほうが分かりやすいですし、長々とした説明文よりも短い言葉で説明されるほうが聞き取りやすいですし、「あれ、それ…」といった抽象的な単語よりも「のり、はさみ」と具体的な単語のほうが推測しなくてもわかりますし、、作業する環境に道具や教材や作品が乱立しているよりも、そういう刺激が少ない環境のほうが集中できますし、こども達が作業に取り掛かり始めてから追加の指示をされるよりは、一旦、こども達に呼び掛けて注意をひきつけてから指示されるほうが、聞き洩らさないのです。
もしかしたら、療育・教育・保育の現場の指導者で、そんな甘やかした環境だと大人の社会で通用しないって言われる方がいるかもしれませんが、いえいえ、そんなことはありません。
業績をあげているいい企業は、こういった条件が整った職場環境を作ることに日夜励まれています。
その分、従業員は本来の業務に能力を注いで、よりいい製品やサービスを創ることに力を入れていけます。もちろん、そんなに満たされた環境ばかりではないので、そうでない環境でもできればなおいいのですが、それは、整えられた環境で学んだ後の応用編です。
療育・教育・保育の現場において、「そんな甘やかした…」と言われる指導者がいるとすれば、その指導者が甘やかしているのは、こども達の学びを本気で考えていない指導者自身であることは間違いない。

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