FC2ブログ

2009-08-25

心に残る8月セミナー

8月セミナーご参加の皆様、2日間のセミナーご参加ありがとうございました。
今年初の試み、子ども自身への障害告知についてのディスカッション、
皆様のご協力のおかげで、主催が考えていたよりも、はるかに素晴らしい場となりました。
会場からは笑い声があったかと思えば、すすり泣きが聞こえ(私は4回ぐらい泣いたような…)、
コメンテーターとしてお越し頂きました各方面の専門家の方々も、
口をそろえて、参加者の方々の話がとてもよかったとおしゃってくださいました。
さて、司会の私の時間配分がまずく、最後は慌ただしく終わらせてしまったことをお詫びするとともに、
少しコメントしようと思っていたことを書かせていただこうと思います。
配布いたしました資料をもとに、参考にしていただければと思います。

まず、私は、多くの子ども達の場合に、障害告知は必要なものだと思っています。
それは、障害告知とは、子ども自身が自分のことを理解するため、
また、自分自身を理解することは、それとは異なる他者理解と相互的に行われるものであり
(なので、他者理解に必ず必要なこと)、
他者にとっても、自分にとっても、気持ちよく生活していくために、
成人するまでに(それからも、少しずつ変化していきますが)獲得が必要な社会性だと考えるからです。
それを知ることは、一時的に辛いこともあるかもしれませんが、
でも、その難しい部分も含めてその子ども自身であり、
その子供にとって、最も身近な大人がそれを告げてくれ、一緒に考えてくれることは、
つまり、それを含めた子どもを受け入れてくれていることは、
子どもが、本当の意味での人との信頼関係を築くために必要な経験ではないでしょうか。
それに、これだけ情報があふれている社会の中で、子ども達が発達障害に関する情報に触れずにいることは、
そんなに簡単なことではないとも思っています。

また、ここで言う告知は、単に障害名を告げることなのではなく、
その子どもの特性を話し(上手くいっている面も難しい面も)、それとは異なる周囲を説明し、
その異なるもの同士がうまく付き合っていくために必要な方法を大人が一緒に考えていき、
それにより成功する過程です。
発達の過程において、自分自身の特性を知り、自己形成し、自己コントロールできるようになること、
これこそ大人になるということではないでしょうか。

もちろん、これができるまでには下準備が必要です。
ある日突然、こんな話をし始めてもうまくいきません。

人を好きなる、人との間で生活したいという気持ちを育てること。
その人が持っている物ややってくれる活動ではなく、
活動等を通してその人と合うことが楽しくなること。
これが、自己理解・他者理解をしたうえで人を思いやるモチベーションとなり、
それに合わせて自己コントロールをしていきます。
それから、自分の要求が通らないことで、他者と自分では異なることに気付くこと。
このことが、他者や人以外の環境と自分は異なる存在であることを明確にし、
他者と自己を別ものとして理解する概念をつくりあげることを助けます。
どこかで聞いた内容ですね。
そう、この7月~8月にかけてセミナーでお話した内容、それは、ここに繋がってきます。
こういう経験があり、また、そのために子どもが人との関係の中で、
何らかの違和感をもち始めたときに、初めて、子どもが持つ特性について話し始められます。
そして、これがうまく受け入れられるためには、子ども自身が生活の中で、
少しは嫌なこともあるけど、総じてうまくいっていると感じていることが大事です。
このためにも、子どもの生活に問題が増えてから行うのではなく、
周りとは異なる特性をもっていてもうまく生活できると思える(今、うまくいっている)、
よりよい状態であるときに行い始めることが大事です。
こういったいい土台を作れるのは、日々の生活の中で接する保護者方々や、
学校や療育現場で子どもと接する機会が多い教員・療育者です。
私たちは、私たちの周りの子ども達を守るために、
子どもが自分自身のことを悪く受け止めないですむように、
日々の生活の中で適切な教育(療育)を行い、
また、子ども達の疑問をはぐらかし不安にさせるのではなく、
きちんと疑問に応えて自己形成できるように助けるために、準備をしておかなければなりません。
誰かが何とかしてくれるのではなく、子どもの傍にいる私たち全員が当事者です。

最後に、
この過程は、発達障害がある子どもだけでなく、全ての子ども達が大人になる過程で経験するものであり
(発達障害という内容は特別であっても、人によってできることやできないことがあることを知る意味では同じ)、
それを支えることが、子どもを育てること、教えることであると思うことを付け加えたいと思います。

コメント ( 2 )件 | この記事のリンク

  • 名前:きょうママ   投稿日時 : 2009.08.25 【URL】
  • 江口さん、キッズパワーのスタッフのみなさんお世話になりました。
    久しぶりのセミナーでしたが、レベルアップしているのと参加者の真剣さに驚くばかりでした。特に今回「告知」というテーマがまさに今悩んでいることでしたので真剣に考えるよい機会をいただきました。参加者の皆さんの体験では「そうそう」と思うことや涙ぐむ場面もあり「ああ、こういう機会にもっと参加したい」という気持ちがセミナー中にむくむくとわきあがってきました。またIさんの告知のお話はとても勉強になったと同時に、わが子の発達を考えるとまだはっきりとした告知は難しいのではないのかと考えるようになりました。
    今回は本人に対する告知の話で時間があっという間に過ぎてしまいましたが我が家には兄がいるので、兄弟に対しての告知に関してもっとディスカッションできる機会がほしいところです。
    「告知」に関してより深く考える機会をくださったキッズパワーさんに感謝です。
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2009.08.26 【URL】
  • きょうママさん、

    コメントありがとうございます。
    午後の眠たくなる時間帯に、誰も寝る人なく長時間、
    皆さん、本当に真剣に参加して下さったと思います。
    それだけ、参加者の方々のお話が興味深いものだったからですね。

    保護者の方々、教育や療育の方々、それぞれがこの問題を真剣に考えていくようになれば、
    子ども達にとっては、きっといい環境ができてくると思います。
    あえて告知という時間をとらなくても、子ども達が日常生活の中で、
    自分と他者との違いに気づき認め合い、それにうまく折り合いをつけていく力、
    また、そういう人を思いやることを学んでいけるような生活環境があれば、
    発達障害がある子ども達だけではなく、その兄弟や同級生など、
    子ども達全体の環境が良くなるのではないかと思います。

    また、何か楽しい企画を考えていきます!
  • :    :
    :


  • 管理人だけにコメントを見せる

 |  キッズパワーブログトップへ   | 


この人とブロともになる