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2008-05-01

Sくんママのプログラム

ミーティング準備に見ていたお母さんのセラピービデオ、余りにも素晴らしかったので紹介しようと思います。
Sくんは、遊びが難しいお子さんです。
一人で過ごす時間は、物を噛みながらフラフラしていることが多く、
いろいろなおもちゃの機能に興味を向けることができず、また、物を扱うのも難しく噛んでしまいます。
時々、子供向け番組の一部を気に入ることがあるのですが、それでも1分持つかもたないか、
ワンフレーズを楽しむ程度で、ストーリーを追うなんてことはもう少し先になりそうです。
自分自身の体の動きもコントロールしきれないので、1つの音を発音することさえままなりません。
そんなSくんと遊んで1時間以上、S君は、思わずお母さんのセリフや動作を真似たり、活動に入れなくても見ていたり、
毎回というわけにはいきませんが、今回のビデオは、それはそれは楽しそうに過ごしていました。

さて、そんな素敵なセラピーがどうやってできたのか?
私がお母さんに、Sくんの遊びを考えるときにお話しているポイントは・・・
・ 1つの活動は数分程度の短時間で終わる(楽しいことであっても、それを続ける注意の持続力が幼いから)
・ 子どもが活動に完全に飽きて離れていってしまう前に、お母さんから次の活動に誘う(子どもが離れてしまうということは、子ども自身が別のことに注意を向けてしまうことで、子どもが別の物に注意を向けてからだと、お母さんのほうに注意を戻すのが難しいから)
・ 同じパターンの動作やセリフ(掛け合い言葉・擬音語・擬態語)を同じリズムで繰り返す(何度か同じことが繰り返されることで、次にくることが予測でき、それが自分の予測通りであることが楽しい時期だから。まだ、ストーリーが展開されていくことについていくのは難しい)
・ 子どもが不適切な行動をした場合は、怒るのではなく、黙ってその動きを止めて、代わりの活動を提示する。一人でできる活動がない、代わりの行動を教えられない場合は(お母さんが活動の準備等でかまえない)、危害がない限りは止めない。(子どもは適当な活動がわからなくて行っているので、代わりの行動を教えずに止めるだけでは、一時的に止まっても、また、不適当な行動をしてしまうから)
・ 今の子どもの発達で楽しめる活動数回に1回ぐらいの割合で、子どもが少し背伸びをしないといけない活動を(作業が入っているとか)混ぜる、
こんなざっくりしたポイントしかお話していませんので、具体的な遊びの内容の全てはS君のお母さんオリジナルです。
以下は、私がミーティング前にお母さんのセラピービデオを拝見した中から抜粋したものです。

① 絵本読み聞かせ:だるまさんが、順番に隠れている動物を見つける話を子どもが聞く(2分)
② 母が膨らました風船の口を持ち「アンパンチ」と言うフレーズに合わせて、子どもが風船にパンチの真似をして、風船がしぼんでしまうと膨らますことを繰り返す(4分半)
③ 音楽をかけながらお母さんが幼児番組の踊りを行っていると、子どもが部分的に真似る(3分)
④ 母が、子どもの好きな絵をお絵かきボードに描いて、子どもは部分的に塗る・描く(7分)
⑤ 手遊び歌:母が歌いながら、糸巻きの形とハイタッチを繰り返す(1分半)
⑥ バランスボール:大型バスの歌を歌いながら、母と一緒にボールに座ってはずむ(4分)
⑦ 母が、吹くとストローが伸びる笛を吹いて、子どもがそのストローをひっぱっる(1分半)
⑧ 母が描いている絵を、子どもがクレヨンで塗りつぶす(4分)
⑨ あがり目さがり目(40秒)
⑩ ぎっとんばっとん(1分半)
⑪ 抱っこしてジャンプ・落とすフリ(1分半)
⑫ 汽車の音楽をかけながら、母が、汽車が走る真似をする(4分)
⑬ ぜんまいざむらい見立て:母が、「ぜんぜんぜんまいざむらいの~」のフレーズを言いながら、ブロックで作った団子剣を持って子どもを切る真似すると、切られるときの「シャー」というフレーズを子どもが真似たり、一部、ぜんまいざむらいの振り付けを真似る。母に手助けされながら、だんご剣をブロックで作る(4分半)
⑭ ガチャポン:子どもがコインを入れるとお菓子入りのカプセルが出てくる(2分)
⑮ 折るワーク(市販の教材使用):母が折って折り目を軽くつけたものを子どもが折る(2分)
⑯ だるまさんにらめっこ(30秒)
⑰ 絵本読み聞かせ:「でんぐりでんでん、ころんころん」のフレーズが繰り返される絵本を聞く、時々、「コローン」の口真似をする(4分)
⑱ マットを使って掛け声とともに子どもにかぶせる(3分)

約2時間のセラピーのために(これ以外に私から指定している課題もあるので、それも頭に入れておかないといけません)、
これだけの遊びの準備をされているわけです。
どんな遊び、子どもにとってこの遊びのはまりどころは、どれぐらいの時間、どんな物を使って・・・
Sくんを楽しませながら遊ぶことができるには、並々ならぬ努力がいるのです。
なんとなく遊び始めてどうにかなるものではなく、事前にかなりの準備が必要なのです。
これだけ考えられれば、そんじょそこらの療育者より、よっぽどいいセラピーをされていると思いますよ。
ちなみにS君のお母さんは、保育や教育の経験者とかではなく、もちろん療育経験はゼロです。
ただただ、地道に時間を積んだ結果なわけです。

コメント ( 3 )件 | この記事のリンク

  • 名前:ままりん   投稿日時 : 2008.05.05 【URL】
  • ただただ地道に頑張ります。
    これからもご指導よろしくお願いします!
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2008.05.07 【URL】
  • ままりんさん、とても多くの方から、この内容を読んで、
    「すごいっ!!」て、コメントもらっていますよ。
    これからも頑張っていきましょ~
  • 名前:   投稿日時 : 2008.06.10 【】
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