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2007-10-04

アイコンタクトと脳の関係

以前にも少しお話したと思うのですが、最近、脳の機能について勉強しています。
人の脳機能については、まだ、わかっていないことのほうがかなり多いようです。
それでも多少わかってきていることもあり、セラピーするときにその辺りを考慮して行っていくと、
子どもにとっても、教える側にとっても、もっと負担が少ないセラピーができるのではないかと思うのです。

ということで、少しわかっていることをお話します。
発達障害がある子どもたちはアイコンタクトがとても下手ですよね。
そして、このアイコンタクトは発達障害ある子どもたちには負担なことで、
それをメインで教えようなんて言っている人は殆どいないと思います。私ぐらいじゃあないでしょうか。
でも、これはとても大事なことのハズです。
「お話するときには目を見ていないと失礼だから」とか、そんなしょーもない理由でなくて、です。
理由については、もう少し色々わかってきてからお話するとして、
今日は、とにかく大事だからと思っていただいて、そのやり方について聞いてください。

アイコンタクトを教えるとなると、
「こっち見て」と言う→子どもがセラピストを見る→褒める・おやつがもらえる・遊んでもらえる(子どもにとって楽しいこと)
という感じの教え方をよく見聞きします。
でも、これは×です。
なぜ×かと言いますと、子どもが「こっち見て」と言われた時に見ることを学習するからです。
皆さんが、本来、見て欲しいときはどんな時でしょうか?
「こっち見て」と言ったときではないですよね?
見て欲しい時に見てもらえないから、「こっち見て」と言っているわけですから。
その言葉を発する前、おそらく、多くの場合は子どもが話し始めたとき、もしくは、子どもに話しかけ始めたときなんです。
つまり、会話が始まる瞬間から会話が行われている間、アイコンタクトを取ってほしいと思うのです(会話の場面だけではなく、また、会話中も時々アイコンタクトを外すもんなんですが、今回は基礎編ってことで会話場面にします)。
なので、アイコンタクトを教える場面は、会話の始まりの場面です。
そして、このスキルは、できるだけ発達の早い時期に教えることが大事です。
それは、ある程度言葉を話し始めるとアイコンタクトより言葉を話すことに子どもの注意がいってしまって、
なかなか学習しにくいからです。
ということで、子どもの発達が早い時期でと考えると、会話の多く、または、話せてなくても会話が必要となる場面は要求の場面になってきますので、
その場面を使ってアイコンタクトを取ることを教えます。
音声やサインでの言葉の代わりに、アイコンタクトをとったら要求を叶えるようにします。
アイコンタクトをとったときに、嬉しいこと・楽しいことが起こっているとアイコンタクトをとる確立が上がってきます。
もちろん、最初からアイコンタクトをすっと取ってくれることは少ないです。
ここで、「こっち見て」と手助けを入れればいいじゃないとおっしゃる方もいるかもしれませんが、
この時期の子どもの多くは、「こっち見て」の言葉の意味がわかりませんので手助けになりません。
それから、こっちを見ることのモデルを示すかのように、セラピストのほうが子どもを凝視することも×です。
子どもはアイコンタクトを取るというよりは、身を乗り出して、目をむき出して、凝視の形を真似るようになります。
では、どうしたらいいかといいますと、要求の場面を作って、要求を叶えないでそのまま待ちます。
たとえば、セラピストが子どもの好きな車を手にもって渡さないでいると、子どもは、それを取りにきます。
手を引っ張ったり、指をはがそうとしたり、叩いてみたりしながら、なんとか取ろうとするけど取れない。
時には泣き出すこともあるのですが、子どもがもがいているときに偶然、セラピストの顔のほうを見ることがあります(最初はアイコンタクトというよりは、なんとなく、顔のほうを見た程度です)。
その瞬間に車を渡します。
数分待ってみたけど難しい場合は、子どもに奪い取られるのはなくセラピストのほうから手渡してあげて、このときは諦めます。
子どものほうが諦めて離れていった場合も同じで、諦めます(無理やり引き戻したら×です)。
こんなことでどうにかなるのかと思うかもしれませんが、なるんです。
ただ、かなり時間はかかります。
2時間頑張って全くアイコンタクトなし、かすりもしなかった子どもでも、2時間×週に2回で半年かけて2時間の間に10回近くとれるようになります。
これぐらいのペースのお子さんは好きな物や遊びも非常に少ないので、それも同時平行で教えていきます。
発声はこの後の課題になります(ちなみに、普段から殆ど発声はないお子さんが多いです)。
え~そんなにかかるの!って思われるかもしれませんが、子どもの長い人生考えたらたかだか半年です。
それだけの時間使っても、コミュニケーション・遊び・ソーシャルスキル等々、全てを教えるために必要な基本的なスキルなんで教える価値ありです。
それから、何を教えるときでもですが、最初の5割ぐらいを学習するときに一番時間がかかります。
そこを超えると急激に伸びていくことが多いので、そういう意味でも最初は時間かけていいのです。

そうそう、アイコンタクトをとったときに反応する脳の部分って、人の快・不快を感じる部分と同じなんですよ。
発達障害がある子どもたちって、快・不快を感じるのが下手だと思いませんか?
嬉しいこと・楽しいことが少なかったり、不快なことの感じ方が大きかったり・・・
自分自身のこういった部分が上手いことできないと、人の快・不快を表す感情は当然わかりにくいですよね。

コメント ( 6 )件 | この記事のリンク

  • 名前:りひまま   投稿日時 : 2007.10.05 【URL】
  • お久しぶりです。アイコンタクトを教える・・難しい~ですね。うちの子は言葉は出てたのですがアイコンタクトがほとんど出来ていなかったし、その必要性もまったく気づいていませんでした。だってどこの療育所も目あわせについて何もいわれなかったのですから~。アイコンタクトに留意しながらセラピー初めて1年たちました。昨年のキッズセミナー後から江口さんに月1回の勉強会をして頂き、数多くのだめだしをくらいアイコンタクトの重要性をかんじました。現在ではりひからのあつ~い眼差しでの会話がうれしくて。保育所の先生方もアイコンタクトとかんしゃくが減ったことを先日私に話してくれました。
    目あわせに気をつけて1年かかりました。でも人生のたった1年です。これの大切さに気づかなければ今でも「しゃべんるんだけどなんか違和感あるな~」でした。そうそう、同年代のお子さんは大人よりするどく違和感を感じたりするもので、相手の質問にコメントを返すとき等アイコンタクトなしだと顔がしかめっ面になってたりします。あなたとの話楽しくないよという事ですね。
    最近のセラピーで指示を受け行動に移る課題が多くなっていたのでまず目あわせが出来ていなかったらむずかし~課題だったと思います。
    江口さんの今回の記事は具体的に方法も書いてあるので読んだ方、半年1年
    かかるもんだと思ってがんばってください。話せてもアイコンタクトなしと、流暢に話せなくてもアイコンタクトがあるだと後者の方が人に好印象を与えると思うのです。
    すいません。長く書きましたが、りひが診断を受けてから江口さんと出会うまでず~っと話せてもなんか違和感が抜けなかったので。アイコンタクトを知って少しいい感じに近づいてるやん。と思えてきたのでした。
  • 名前:きょうママ   投稿日時 : 2007.10.05 【URL】
  • アイコンタクト・・・。我が家にとってゴールがまだまだ先の課題です(悲)。
    ホント、アイコンタクトって大事ですよね。小学校にいってて思うのですが、お友達が話しかけてきて返事をするとき、目があっていると一回で通じるのですが、合ってないともう一回きかれることが多いです。娘は自分の要求のときや自分が話しているとき(とくに話したい気持ちが強いときは)目が合うときが多いのですが、相手に対して答えるときほとんど目があってない!はぁ~、まだまだです。我が家は最初の療育でアイコンタクトよりしゃべるほうを重視してやってたのでこれが5年前にやってたらと悔やみます。江口さんのブログを見て、アイコンタクトの重要性に気づかれた皆さん!ぜひ今からでもアイコンタクトやりましょう!早くに気づくことができた方は幸運です。我が家も実行中でーす。
  • 名前:Tママ   投稿日時 : 2007.10.06 【URL】
  • セラピーを受けてから、もうすぐ1年が経ちます。
    荻原さんから「アイコンタクト、しっかりとってください!」と言われ続けてきました。
    夏のセミナーでも江口さんからアイコンタクトの重要性のお話がありました。
    それなのに、最近になってやっと、その意味が分かったんです。
    それに気付いたのは、来年就学に向けてのスクールトライアルの宿題でした。
    たくさんの指示を出していくうちに、子供の集中力は続きません。全く気持ちは他へ飛んでいってます。それでも子供に合せて休憩ばかりもとれません。
    アイコンタクトとれないままに指示を出した時、子供の反応はまず返ってきません。
    アイコンタクトばっちりで指示を出した時、見事に反応ありです。
    目が合っているだけで、気持ちがこちらを見ていない時もあります。もちろん、指示は入っていません。これは、アイコンタクトではないですよね。

    目を合わせないと相手に失礼だったり、伝わりにくかったり、それも大切だと思います。
    でも、それ以上に、目を合わせるってことは、相手に気持ちを向けるってことですよね。
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2007.10.09 【URL】
  • りひママさん、こんにちは。

    お仕事もされながら、毎日の療育を続けられていることには、いつも感心させられます。
    お母さんだけでなく、保育園の先生からもいろんな報告があると、
    本当にできてるんだ~って実感できますよね。

    >そうそう、同年代のお子さんは大人よりするどく違和感を感じたりするも>ので、相手の質問にコメントを返すとき等アイコンタクトなしだと顔がし>かめっ面になってたりします。あなたとの話楽しくないよという事です
    >ね。
      
    とってもするどいコメントありがとうございます。
    そうそう、子ども達は良くも悪くも正直なんで、彼らの言動は勉強になります。
    アイコンタクトは、私達にとっては報酬なんです。
    目が合うと、ヒトの脳の報酬を感じる部分が刺激されるんですよ。
    私達は、会話をしている時に目が合っていないと、相手が楽しくないのかな?って思いますよね。
    私達自身が、アイコンタクトそのものを報酬と感じるのだから、
    それがないと、相手にとっても報酬でない=この場面が報酬でないになるのかもしれません。
    お母さん自身が感じていた違和感、会話の中で本体あるべきアイコンタクトがないので、
    なんか疎外感というか、一緒にいるのにいないように感じる、
    アイコンタクトによってもたらされる報酬がなかったからかもしれませんね。
    「たったの1年」・・・お母さんから言ってもらえると、他の親御さんにも励みになると思います。
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2007.10.09 【URL】
  • きょうママさん、こんにちは。

    私が療育を始めてから、アイコンタクトの重要性や教え方に気づくまで3年ぐらいかかりました。
    それ以前に出会った子ども達には、最初にきちんと伝えることができなくて本当に申し訳ないです。
    というよりは、それまでに関わってきた子ども達のお陰でわかったんだと思います。
    ありがとうございます。

    気づいたときから教え始めても身についていくことがわかると他の親御さんの励みになりますし、
    今からセラピー始める人には、とても貴重なアドバイスになると思います。
    コメントありがとうございました。
  • 名前:eguchi   投稿日時 : 2007.10.09 【URL】
  • Tママさん、こんにちは。
    そうなんです~集団に入るとですね、指示を受けるときにも、
    それから話し合いなんかで自分が話す時にも、とても重要になってきます。
    アイコンタクトは、私が話していますってサインですから。
    これがわかっているからこそ、大勢いても混乱せず話し合いができるんですよね。

    何より、
    >でも、それ以上に、目を合わせるってことは、相手に気持ちを向けるって>ことですよね。
    ここが、コミュニケーションの核心だと思います。

    実際に経験を積んでいるからこそのコメントですね。
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