2012-01-25

肩を並べて

先日、こども塾を見学していたときのこと。
2人のこどもが、大きな模造紙を使ってポスターを作っていました。
このポスターは、今年度のこども塾での活動を発表する生活発表会に向けて制作しています。
この活動のねらいは、上手なポスターを作ることではなく、上手にポスターを作ることです。
「上手な」と「上手に」、たった一字の違いですが、意味するところは随分ちがいます。
ポスター制作会社ではありませんから、誰もが目を引くようなポスターを作ることは求めておらず、
そんなことよりももっと大事な、人と気持ちよく関わりながらポスターを作るスキルを練習しています。

例えば、どんなテーマにするか、1人はキャンプでもう1人はクリスマス会だと、何だかちぐはぐします。
どちらかが書き始めてから、もう1人が、「私は、それ描きたくな~い」と、言われれば、
既に描き始めている人は何だか気分が悪いですし、言った本人も、何で勝手に決めるのよって思いますよね。
そうならないように、実は、いい方法があって、描き始める前に相談すればいいんだよ、
相談っていうのは、どういう風にすれば、いつ、誰に、何て言えばいいのか、
こんなことを具体的な場面を使って、具体的に教えていきます。

人と活動することが嫌いだったり、苦手だったりするのは、
はじめっから人そのものが嫌いだったり、人と一緒に過ごすことが嫌なのではなく、
人と一緒に過ごす時にたくさん失敗したり、どう振る舞えばいいかわからなくて不安だったり、
そんなことが原因で嫌いになります。仮性人嫌いとでもいいましょうか。
だから、そこを具体的な言動を教えることで解決していきます。
「人の気持ちを考えて」とか、「周りをよく見なさい」というような抽象的な教え方や、
絵カードを使ってロールプレイイングだと、余り効果ないんですよ。
いろいろな感情を持ちながら、体を使って行動するからこそ、練習になります。
例えば、私たちだって、結婚式のスピーチとか講演とか人前で話す時、
プログラムや手順を説明してもらい、「落ち着いて」って声をかけられたって、
実際の経験がなかったり少ない時には、やっぱり緊張しますし、うまく動けないですよね。
でも、その緊張した感覚を伴いながら、実際に行動することが繰り返されると、
そうなりそうな場面でも、そうならないように動けるようになるのです。
こどもだって、同じなのです。

そうそう、この見学の時の2人、お互いに嫌いと言うぐらい犬猿の仲だったのが、
この日は、床に広げた模造紙に2人とも同じように丸まって、並んで書いていました。
ぴったりと肩を並べて描いている姿は、まるで恋人のようでした。
それは、人と上手に活動する時の方法を教えて、お互いが嫌いになる原因を除き、
2人で心地よく過ごしているからなんですよね。
心地よく過ごしている時、自ずとして、心地よく見える態度になります。この2人のように。

人に合わせるって、実は、こんな姿勢や動きがとれていることで(それを見て、私たちは合わせていると思う)、
気持ちで理解したり学ぶことではなく、実際の生活の場面の動き方で学んでいきます。

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