2008-01-30

Pくんのおしゃべり~その後~

少し前のブログ(2007・12・27)でP君の話術について書きました。
その後、どうなったのでしょう。

お母さんとセラピストで話しているところへ、子どもが唐突に、まるで自分に話しかけられているかのように、
お母さんやセラピストが互いに投げかけた言葉にコメントしてきます。
そこで、お母さんもセラピストも、それぞれが相手に投げかけたコメントに子どもが応えてきても、
それには応じないようにしました。
お母さんやセラピストは、お互いに話をするときに相手にアイコンタクトをとっています。
アイコンタクトが話していいよという合図になり、また、相手の話を聞いているよという合図にもなります。
子どもにとって、話を聞いてもらえるという嬉しい場面にアイコンタクトをとることで、
アイコンタクトを求める、それを常に意識するようになってもらって、
そうすることで、話しに入っていいかどうかをアイコンタクトで判断するようになってほしいと思っています。
練習して始めると、Pくんは、すぐに気づきました。
Pくんが話しかけても、お母さんもセラピストも相手にしてくれていないときがあることを。
それは、お母さんやセラピストがPくんに視線を向けていないのに話しかけてきた時なんです。
もちろん、Pくん自身はしっかりアイコンタクトをとろうとしていて、食いつくようにお母さんとセラピストを見ています。
でも、お母さんとセラピストは、Pくんが話に入るタイミングではないので、Pくんを見ません。
すると、Pくんは、反応が返ってこないので話すのを止めます。
よしよし、いい感じ~と思っていたのですが・・・ちょっとおかしな方向になってきてしまいました。
Pくんは、お母さんとセラピストが話し始めると会話に入らずに、自分ひとりで遊び始めるようになったのです。
大人が話している最中は、おとなしく遊んで待っていようと、物分りがいいお子さんになってしまったのです。
困りました・・・会話に入ってこないわけですから、話し始めるタイミングの練習はできないのです。
作戦変更せねばなりません。
そこで、考えなければならないのは、どうして失敗してしまったか、です。
1つには、手助けが足りなくて子どもが会話に入ることをエラーしすぎてしまったこと。
もう1つは、子ども自身のこれまでの学習の経験で(アイコンタクトだけでなく、しっかり言葉で褒めてもらえる)、
アイコンタクトだけの頷きだと、相手の反応が小さすぎて自分が間違ったかのような感覚をもたせてしまったようなのです
(アイコンタクトだけだと、戸惑ったような表情をします)。
こういったことから、お母さんとセラピストが話し始める状況では会話に入ってはいけないと思ったことと
会話に入ってもなんだか間違っているかのような不安感を持つこととで、会話に入らなくなってしまったのです。
ということで、まずは話に入ってこさせるために、セラピストからPくんに話かけて話にのせておいてから、
お母さんが加わってくることにして、会話の状況を変えます。
それから、話し手が誰に話しかけているか分かりやすくするために、三角形の座り位置にして、
話し手がコメントを求める機会(聞き手が話していい)にアイコンタクトを使うことにしました。
そうそう、セラピストがアイコンタクトをとったときにP君が話しかけてきたときには、
アイコンタクトだけでなく、言葉での相槌もつけるようにしました。
そうすると、元々、セラピストからアイコンタクト+コメントがもらいたくて一生懸命話しているPくんは、
それにつられてセラピストのアイコンタクトを追い、自分が話していい番とそうでない番を、
セラピストのアイコンタクトが自分とお母さんのどちらに向いているかで判断できるようになってきました。
そこで、次は、話しの輪に入るタイミングをアイコンタクト→話しの切れ間にスライドさせていく計画です。

こんな練習ができるのは、Pくんが人と話したい、人と関わりたいと思いながら、
でも、他者と関わっていくということは、相手の反応を意識しなければならないことを学んできたからなんですよ。
もし、まだ、そこまで育ってないというお子さんの場合は、しっかりマンドと遊びの練習をすることだと思います。
その中で、子どもの好きなことを練習するとともに(=人は楽しい、だから関わりたい)、
子どもが断られる場面の両方を(人は自分の思い通りにならない、だから相手の反応を確認する)、
入れていくことが大事です。

大人が適当な対応をすれば必ず応えてくれる子ども達、試行錯誤しながらのセラピーは本当に楽しい。

コメント ( 4 )件 | この記事のリンク

 |  キッズパワーブログトップへ   |  次の記事へ >>


この人とブロともになる